ドラマ「母の待つ里」・・ふるさとってどんなですか?
NHKでこの夏~秋に放送された「母の待つ里」をご覧になりましたか?
遠野に縁のある私としては、見ないわけにもいかずというか、いやむちゃくちゃ楽しみにしてました。実に面白かった。
まだ桜が残っていた2024年4月~5月にかかる1か月間かけて行われたドラマ撮影。撮影の際は、それがたとえ一日に何台も走らない田舎道路だったとしても、生活圏内の住民宅1軒1軒に「撮影しますんでよろしく!」的な内容のお願い文書が配布されたのだとか(え?当然なのかしら・・)。
原作は浅田次郎さん。浅田氏は遠野がお好きのようで、この物語の設定は青森だったみたいだけど、原作者自身がドラマ化に少なからず意欲的だったようなので、制作側が気を利かせて撮影場所を遠野にしたのかな、と(これは私の勝手な推測)でも、それで大正解👍
今となっては「遠野物語」を知る日本人が少なくなっている気がするけれど(苦笑)、母(宮本信子)が語る昔話は、遠野物語由来のものだった。その光景を浄瑠璃で演出するのだからとても秀逸で。東北弁で語られる昔話のこわいような不思議な世界観にピッタリだった。
ふるさとがある人、ない人、かつてはあった人、、そういう人間たちが引き寄せられるように「ふるさと」へ足が向いてしまう。
明らかに自分の母ではない人が待っている「ふるさと」で、
明らかに自分が知らない景色の中で、
自分を知っている人たちが迎えてくれる「ふるさと」で過ごす不思議だけど穏やかな時間。
戸惑いながらも懐かしさと、どこかに置き忘れてきたはずの景色や面影への郷愁。1泊二日の特別な時間の中で心が癒され、解けていく感覚。ドラマの人物たちが感じる様々な感情を追体験できる感覚。
誰もが戻りたい場所、行ってみたい場所、行きたいと思ってしまう場所が「ふるさと」なんだと思う。そして、会いたい人がいる場所も。
それにしても。
宮本信子さんは、遠野にほんとにご縁のある役者だなと思う。たぶん最初は「あまちゃん」のばあちゃん役だった気がするけれど、そこから何か不思議に縁が生まれ繋がり、岩手のお母さんといえば宮本信子さんというのが私の中で固定してしまった。しかも、だんだん東北弁うまくなってるし(笑)。
撮影場所は、遠野市内をふんだんに惜しみなく使ってくれた感じ。遠野という場所が盆地で、本州でも1位2位を争う寒さで(2月は△15℃とかなっちゃう)、春の訪れも割とゆっくりだから桜もGWまで咲いていたりする。桜のシーンが多く、それらのシーン一つ一つが丁寧に自然とともに描かれ本当にステキだった。4Kで撮影されたのも頷ける。。
母が待つ古民家(大きな茅葺の曲がり家)は、「遠野ふるさと村」で確かにドラマなどでもよく利用される観光地(ネタばれ💦)。
「ふるさと」をのんびり時間で体験したい方はぜひどうぞ🐎⛰
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